身近な点字:缶・シャンプー・お札・エレベーター
点字は、思っているより身近なところにあります。缶ビールのふた、駅の券売機、エレベーターのボタン、手すり。一方で、シャンプーのボトルやお札のように、点字ではないけれど触ってわかる工夫もあります。ここでは、よく聞かれる例を、メーカーや国の情報をもとに紹介します。
この記事のポイント
- お酒の缶のふたの点字は「おさけ」。ジュースとまちがえて飲まないための表示です。
- シャンプーのボトルの横の**ギザギザ(きざみ)**は点字ではなく、リンスと区別するための印。1991年に花王が始め、業界に広がりました。
- 新しいお札の識別マークも点字ではなく、11本の斜線。お札の種類ごとに位置がちがいます。
- 駅の券売機、エレベーターのボタン、手すりには、指で読む点字が書かれています。
缶のふたの「おさけ」
お酒の缶のふたには、点字で「おさけ」と書かれています。アサヒビールによると、目の不自由な人が清涼飲料とまちがえて飲まないよう、1996年4月から缶のふたに点字を入れはじめ、はじめは「びーる」でしたが、2001年1月から「おさけ」に変えました(アサヒビール お客様相談室)。
「おさけ」を点字で書くと ⠊⠱⠫ です。缶の上を指でなぞると、この3マスが読めます。
シャンプーのギザギザ
シャンプーのボトルの横にあるギザギザは、点字ではなく「きざみ」と呼ばれる印です。花王によると、「シャンプーとリンスの容器が同じでまぎらわしい」という声にこたえて1991年10月に登場しました。花王は実用新案を出願していましたが、業界で統一しないと使う人が混乱するとして取り下げ、ほかの会社にも同じ印を使うよう働きかけました(花王 シャンプー容器のきざみ)。
このきざみは、2000年に JIS S 0021(高齢者・障害者配慮設計指針―包装・容器)の例として取り上げられ、2011年には日本の提案で国際規格 ISO 11156 の例にもなりました。体を洗うボディウォッシュには、ライン状の触覚記号が使われています。
お札の識別マーク
2024年に発行された新しいお札には、指で触って種類を見分けるための識別マークがあります。これも点字ではなく、インキを厚く盛り上げた11本の斜線で、お札の種類ごとに位置を変えています。たとえば新しい五千円券では、表面の上下の中央にあります(国立印刷局)。
お札はほかにも、長い辺の長さが種類ごとにちがいます。一万円券は160mm、五千円券は156mm、千円券は150mmです(日本銀行)。
駅やエレベーターの点字
駅の券売機や運賃表、階段の手すり、エレベーターのボタンや操作盤には、指で読む点字が書かれています。エレベーターのボタンの横に「ひらく」「しまる」や階の数字が点字で書かれているのを、見たことがある人も多いでしょう。家電や家の中の物に、あとから貼れる点字シールもあります。
点字の数字の書き方は「点字の数字」で、駅のホームや歩道の黄色いブロックについては「点字ブロックとは」で紹介しています。
よくある質問
ビールの缶の点字は何と書いてある?
「おさけ」です。お酒を清涼飲料とまちがえないための表示で、アサヒビールは1996年に始め、2001年から「おさけ」にしています。
シャンプーのギザギザは点字?
点字ではありません。リンスと区別するための「きざみ」という印で、1991年に花王が始めました。
お札に点字はある?
点字ではなく、11本の斜線でできた識別マークがあります。お札の種類ごとに位置がちがい、触って見分けられます。
「ありがとう」は点字でどう書く?
点字は発音どおりに書くので、「ありがとー」と書きます:⠁⠓⠐⠡⠞⠒。のばす音は長音符(2・5の点)です。
