点字の書き方:点字器・タイプライター・スマホ
点字は、厚めの紙に点を浮き上がらせて書きます。よく使われる方法は3つです。点字器(点字盤と点筆)なら、紙の裏から1点ずつ手で打ちます。点字タイプライターなら、1つの点に1つのキー、6つのキーを同時に押して1マスを打ち出します。そしてスマートフォンや点字機器では、同じ6つのキーの組み合わせで入力します。どれも同じ点字を書きます。「あ」は1の点(⠁)、「い」は1・2の点(⠃)です。
この記事のポイント
- 点字の1マスは6つの点の組み合わせ。読むときの向きで、左の列が上から1・2・3の点、右の列が4・5・6の点です。
- 点字器は点字の鉛筆と紙。安く、持ち運べて、音もしません。紙の裏から打つので、右から左へ書きます。
- 点字タイプライターは紙の表に、左から右へ、1回で1マスを打ちます。キーの並びは 3・2・1・スペース・4・5・6。
- iPhoneには、画面を6つのキーにする 点字画面入力 があります。
- どの道具でも、書く点の番号とかなは同じです。点字器だけ向きが変わります。
まずはマスを覚える
どの道具も、書くのは同じ6点のマスです。点の番号を先に覚えましょう。表や教材、先生は、みなこの番号を使います。
| 読むときの位置 | 点の番号 |
|---|---|
| 左上 | 1 |
| 左中 | 2 |
| 左下 | 3 |
| 右上 | 4 |
| 右中 | 5 |
| 右下 | 6 |
「う」は1・4の点(⠉)、「か」は1・6の点(⠡)です。五十音のしくみは「点字の読み方」で、すべての文字は「点字一覧表」で確かめられます。
点字器:点字盤と点筆
点字器は、紙をはさむ点字盤と、マスの形の窓が並んだ定規、先の丸い針のついた点筆でできています。点筆を窓に入れて押すと、紙が下のくぼみに押しこまれ、点が紙の裏側に浮き上がります。
なぜ右から左へ書くのか
点字器で打った点は、紙の裏側に出ます。読むときは紙を裏返すので、左右が入れかわります。そのため、行の右はしから書きはじめ、左へ進みます。裏返した人は、左から右へ読むことになります。
難しそうに見えますが、かなの順番も、それぞれの点の番号も変わりません。変わるのは、窓の中での点の位置だけです。書く人から見ると、1の点は右上にあり、1・2・3の点は右の列を下へ並びます。
| かな | 点の番号 | 読むときの形 | 書くときの位置(裏から) |
|---|---|---|---|
| あ | 1 | ⠁ | 窓の右上 |
| う | 1・4 | ⠉ | 右上と左上 |
| か | 1・6 | ⠡ | 右上と左下 |
はじめての言葉
「そら」(⠺⠑)を書いてみましょう。行の右はしの窓から左へ進みます。最初の窓に「そ」(2・4・5・6の点)、次の窓に「ら」(1・5の点)。紙を裏返すと、左から右へ「そら」と読めます。
点字器のコツ
- まっすぐ、しっかり、短く押す。 点筆が傾くと紙が破れ、弱すぎると点が低くて触ってわかりません。
- 点字用の厚い紙を使う。 コピー用紙より厚く、点が長持ちします。
- 言葉の間は1マスあける。 何も打たないマスがスペースです。日本語の点字は、言葉の区切りでマスをあける「分かち書き」をします。
- ときどき触って確かめる。 点字盤を開き、紙を裏返して触ってみましょう。
紙の表から点を浮き上がらせる、左から右へ書ける点字器もあります。
点字タイプライター
点字タイプライターは、点字器にとってのタイプライターのようなものです。1つの点に1つのキー、6つのキーとスペースバーがあり、1マスの点のキーを同時に押すと、そのマスが紙の表に、左から右へ打ち出されます。打ったものをすぐ読んで確かめられます。
キーは左から 3・2・1、スペース、4・5・6 の順です。「め」は6つの点すべて(⠿)なので、6本の指で同時に押します。
スマホとパソコンで
点字タイプライターと同じ6つのキーの並びは、いまでは電子機器で点字を書く標準の方法です。
- iPhone:VoiceOver の 点字画面入力 で、画面を6つのキーにして入力できます。ローターで「点字画面入力」を選び、机に置くテーブルモードか、画面を向こうに向けて持つホールドモードで使います。1本指で右にスワイプでスペース、左で削除、2本指で右にスワイプで改行です(Apple のサポート)。
- 点字ディスプレイの多くは、同じ並びのキーを持っています。
- パソコンでは、点字ソフトが S・D・F・J・K・L の6つのキーを1〜6の点に割り当てます(F・D・Sが1・2・3、J・K・Lが4・5・6)。
はじめる順番
- 点の番号と、あ行(あいうえお)の5文字を覚える。
- 点字器を用意する。 本物の点字をいちばん安く書ける道具です。
- 五十音を書いて、触って確かめる。
- 短い言葉、そして文を、分かち書きでマスをあけながら書く。
- たくさん書くなら点字タイプライターを足すか、スマホの点字画面入力で練習する。
書いたものは「点字変換」で確かめられます。
よくある質問
なぜ点字器では逆向きに書くの?
点筆が紙の裏側に点を出すからです。読むために裏返すと左右が入れかわるので、右から左へ書き、左から右へ読みます。
点字器と点字タイプライター、どちらがかんたん?
はじめは点字タイプライターのほうがかんたんです。表から、左から右へ、1マスずつ打てます。点字器は慣れが必要ですが、小さく、安く、静かです。両方を覚える人も多くいます。
スマホで点字は書ける?
書けます。iPhone なら VoiceOver の点字画面入力で、6本の指で画面にふれて入力します。
